繋いだ手の中で

 唐突だが、みなさんは幼馴染と拳を交わすほどの仲違いを経験したことがあるだろうか。僕にはない。同性で年が近い人間など、気づけば環境が変わるごとに入れ替わっていき、新しい環境に慣れたころには数人としか連絡を取り合っていない。そのため、拳を交わすどころか幼馴染と呼べるような同性はいない。

 

 僕に彼女達が輝いて見えた。当時、18歳であった僕の心の拠り所であった彼女達。素手で破落戸に殴り込み、次の日には職を失う広島弁の少女と、養子として富豪の家に引き取られるが校内を血で染めた白髪の少女。

 どちらも大差はない。二人は幼馴染で辛い時も共に乗り越えてきた存在。たった一度のすれ違いで関係が拗れてしまうとは当人にも知り得なかっただろう。

 

 もし、古い付き合いの友人と些細なことで口論になってしまい、気まずさを感じながらも仲直りをしたいと思っていみなさんならどうするだろうか?

 拳を交わすしかない。これが、彼女たちの答えだったのだ。

 

 分け与えられた小さなお菓子でさえ、半分に割り共有したがった少女は、自分の勝利のためなら伊藤かな恵の肋骨を折るような人間へと変貌していた。

 当時の僕には、理解ができなかった。少女は肋骨を折らないと負けていたとまで言っていた。勝利への執着心。何が少女を変えてしまったのだろうか。

 

 正義が悪に、悪が正義に見えてしまう瞬間が少なからずあると思う。

 素行の悪い不良、だが信念は何も変わってはいない。ある物事に捕らわれ自分を縛り続け、人生を生きづらくしているお嬢様。表面上だけ見れば、不良とお嬢様。前者の方が悪に近い。

 だが、お嬢様は校内を血で染め、他人の肋骨をリングの上で折っている。対して不良は、早朝には起きてトレーニングをし、雇われているジムの営業時間になれば忙しく働く。ここまで述べたら、どちらが悪なのか、正義なのか判断が付かない。

 

 粗探しをすれば、人間誰でも悪となり、誰でも正義と成り得る。完璧を求めた結果、身体が追い付かなかった佐倉綾音の指導だって間違っているとは思えない。

 

 この世のあらゆる物事は、悪と悪、正義と正義、正義と悪のぶつかり合いだ。拳を交わしてお互い不満が消えるまで語るしかないのだ。

 

 そして、最後に和解をしたら手を繋げばいい。二人が仲違いしていた時間は取り戻せる。動き出せる。繋いだ手の中ではもう、既に新しいストーリーが始まっているのだから。

 

 まだ続きます

 

 それっぽいこと書いて、オタクがポエムしてるなって思われているだけでもよかったのですけど、本編を見ていない人間からすると「伊藤かな恵」と「佐倉綾音」以外、何一つわからないと思います。僕も未視聴ならそうなります。

 リリカルなのはシリーズは長いです。1期が2004年スタートであることもあり、その歴史は非常に長いです。今でも、映画をやっていますし、まだまだ続いていきますね。

 きりがないので、アニメ化した作品だけで説明すると

 「魔法少女リリカルなのは

 「魔法少女リリカルなのはA’s

 「魔法少女リリカルなのはStrikerS

 「魔法少女リリカルなのはViVid

 「ViVid Strike!」

 と全部で5作あります。ちなみにエタブレの愛称で有名な水樹奈々の「ETERNAL BLAZE」は「魔法少女リリカルなのはA’s」のOPで放送は2005年。13年近くもリリカルなのは楽曲が今も定期的に歌われているなんて僕は嬉しいです。

 話が逸れました。

 上記の作品の3つ目までは「高町なのは」が主人公となっている作品です。4作目は「高町ヴィヴィオ」が主人公で。5作目は「フーカ・レヴェントン」が主人公でしょう。

 主人公が変わるにあたり、物語は(世界は)平和になりました。人の命に関わるような描写は少なくなりました。なんていったって、総合格闘技の話ですからね。

 平和になった世界で、ヴィヴィオやアインハルトなどの登場人物が武術を磨いていく話になったと思ったのですが、「ViVid Stiriek!」ではまさかの主人公変更。

 完全オリジナル新キャラクターの「フーカ」と「リンネ」の仲直りをテーマとした作品となりました。

 見るならA’sからお勧めします。僕には文章で物語を説明するのは無理です。なんなら、無印とA’sは劇場版で済ませてStiriekerSからでいいんじゃないですかね。

 

 急に話は変わりますが、僕は11月17日のANIMAX MUSIX 横浜に参加してきました。記憶はないです。新横浜駅で降りた記憶くらいしかないです。

 

 だって、水瀬いのり(フーカ)が小倉唯(リンネ)の曲を歌ってしまいましたからね。本当に記憶が飛びました。まず、ステージのスクリーンにアニメ映像が流れて頭が真っ白になって、水瀬いのりが登場するものだから「明日への風をやるんか!?(フーカのキャラソン)」とパニックになりました。

 

 OPである「Future Strike」とEDである「Starry Wish」はそれぞれリンネの心情とフーカの心情をそのまま歌詞にしています。

 いや、もうアニメ全話見て歌詞カードと睨めっこしたらそのまま歌ってるじゃんってなりますから。ボロボロに泣きますから。

 二曲とも、一番は心配していて、最終的には仲直りすると読み取れると思うんですけど本当にそのまま。歌詞でネタバレするアニメってよくあると思うんですけど、これはもうそのまま。「ViVid Stike!」ってアニメの総集編と呼ばれても僕は否定しません。

 

 アニメ最終話で見せた二人の笑顔は本物だったんだ。フーカの思いがリンネに通じて、リンネの思いがフーカに通じて。フーカがそれに答えて……

 大阪で、小倉唯が「Starry Wish」を歌ったらまた泣いてしまう。

 蛇足のせいでもうわからないけど、(書きながらアニメ見直しているんですがめっちゃ泣いてます)リリカルなのはが好きでよかったと心の底から思います。

 以上です。

 

 追記 僕と関りのあるオタク。だいたいがなのは履修していないと思うので見ろ。見てください。お願いします。できれば「Vivid Strike!」まで見て。ちなみに僕が一番好きなのは「魔法戦記リリカルなのは Force」です。読んでぜひ、僕と語ってください。お願いします。